私は五感を忘れない
何もかもデリバリーが発達しているこの国で思ったこと。
食事も、日用品も、化粧品も、デリバリーできる。やろうと思えば外に出ないで生活できるだろう。
便利さの代償は、スマホから離れられない世界。買い物のためにスマホを開き、そのあとスマホでなんとなく時間を溶かしてしまう。
身体性の欠如。
身体性の欠如は、なにかを自分で選び取ったという感覚の欠如につながる。
実際は自分が選んでいるにもかかわらずだ。
それはその目の前にリアルの人がいるという感覚の欠如に直結する。
スマホという大きな壁だ。
日常生活にも金盾があるのだ。
実際には自分が選んでいる、だがスマホには絶えずおすすめが出てきて、私たちの嗜好に沿うであろうものを走馬灯のように見せてくる。私たちは無意識にそのおすすめを判断の対象としてしまう。
私が、こっちに来てから違和感を覚えているのはきっとこれなんだろう。
最近は、少し高くてもいいから敢えて実地でモノを選ぶようにしている。
五感で感じることを忘れないように。
それが私にできる、私を維持する手段だ。